督促OL 修行日記

- 作者: 榎本まみ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/09/22
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 83回
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督促というあまり聞いたことがない仕事をしている方が書いた本です。
いつも起業家の本ばかりを読んでいるので、違うジャンルの本を読んでみました。
今まで知らなかった督促の仕事内容や辛さが分かりました。
そして、辛い仕事の中でも考え方を変えたり、工夫をして困難を乗り越えていく著者の姿勢は、
すごいです。仕事が辛いと思っている人にとって、参考になることが多くあると思います。
著者の仕事の簡単な紹介です。
クレジットカードで物を買うと、月末や決まった日に口座からお金が引き落とされます。
ただ、口座にお金がないと引き落としができません。
ここで著者が働いてる督促の仕事の開始です。
ひたすら、クレジットカードで物を買った人に、電話で入金の催促をします。
ここで素直に入金してくれたら苦労はないのですが、
借金を返さない人に催促するわけですから、
簡単には入金してくれません。
朝から晩まで電話をかけまくって、罵倒されまくって、
次の日も、そのまた次の日も電話をかけまくる。
考えられないくらい辛く、周りの同期や社員はやめていきます。
著者も辞めたいと思いましたが、ここからがこの方の参考にしたい姿勢。
「誰かが倒れたら代わりの誰かが補充される、そんなのって間違ってない?
なんとかしてお客さまの言葉から身を守る方法や、相手にちゃんと約束を守らせて入金させるわざを研究できないかな」
それが、私が督促でお客さまに立ち向かう方法を研究しよう、と思ったきっかけでした。
辛い仕事の日々ですが、うまくいってる会社の人や本や多くのことを参考に、
どうすればよくなるか考え行動し、改善していきます。
待ち合わせ時間や締め切りを相手の口から言ってもらえば、
「日時はあなたがきめたじゃないですか~」と相手の罪悪感を刺激できる。
本で読んだ、
「人間の脳は疑問を投げかけられると、無意識にその回答を考え始める」
の言葉から、
「お金を返してください」とこちらの要求を押しつけても、相手の反感や怒りを誘う。
だったら「入金できる日はいつ?」という質問を投げかけて、
脳に回答を考えてもらうようにすれば、罵倒されずにすむかもしれない!
うまくいってる同じ会社の人から得たこと、
ひたすら「申し訳ございません」だけを繰り返してしまうと、
早く電話を終わらせたいという態度が透けて見え、うわべだけで謝っているように聞こえる。
相手の気持ちをわかっていると相手に示すためには、ただ謝るのではく具体的に謝ることが有効だった。
具体的には、
「カードが店で使えなくて大変だったよ!」
「お店で恥ずかしい思いをさせてしまい、申し訳ございません!」
他にも日々の生活でも役にたつテクニックがたくさんあります。
また、督促やコールセンターあるあるネタや、ひどいお客さんの小ネタがふんだんに書いてあり、
飽きずに読めます(笑)
最後に、著者が督促の仕事を通して得たこと
仕事をする中で誰かから傷つけられることはたくさんあったけど、
そのおかげでできるようになったこともたくさんある。
今まで私が先輩やお客さまからもらってきたのは、これからより強く生きていくための武器と盾だったのだ。
この本から色々なことを得ることができましたが、これだけは断言できます。
私は絶対に督促の仕事はやらない!!です(笑)

- 作者: 榎本まみ
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